いいへんじ|公開稽古
こんにちは!制作アシスタントの谷川です。12月の9日と11日に、いいへんじの公開稽古がありました。私は、9日の回にお邪魔してきました!
下北ウェーブ選出作品である「つまり」の戯曲をチラ見して声に出して読んでみたり、劇団員の方や公開稽古参加者の方とひたすらおしゃべりしたり、とっても濃密な時間でした。それでは、公開稽古の内容を詳しくレポートしていきたいと思います!
まずは自己紹介から。2人1組になって自分のことを話します。
しかし!いいへんじの自己紹介はここでは終わりません!
ペアを変えて今度は、前の相手から聞いた話を次の相手に伝えます。
そして最後に、今さっき相手から聞いた話を「ホニャララさんはこんな人です」とみんなの前で発表します。
2人の人間を経由してみんなの前で語られる”自己紹介”、情報が抜け落ちたり変わってしまったりしていて、かなり違う話になっていました。主宰の中島さんは、「伝えたい情報が、全部は伝わらない、ちゃんとは伝わらないということを実感して欲しかった。『つまり』も、そういうことを描いた作品にしたい。」とおっしゃっていました。
ちなみに、この自己紹介はいいへんじの初回稽古では毎回必ずやるそうです。
お次は、参加者全員で、テーマを設定しておしゃべり。
テーマは「言いたいこと」です。だいぶざっくりしたテーマに見えますが、制限が少ないおかげで話がどんどん広がります。劇団員の木村のばらさんが「最近、言いたいことをストレートに言わない演劇が多い」と口火を切り、「言いたいことをはっきりさせるために戯曲を書くのかもしれない」「じゃあ役者は作・演出の人が言いたいことのために舞台に立つのか?」と、どんどん話が発展していき、最終的には皆んなで熱く演劇について語り合っていました。
”おしゃべり”をやった理由としては、「言いたいこと」というたった一言からどんどん議論が発展していく面白さはもちろんあるのですが、後からおしゃべりの内容を思い出して、「あのときあんなこと言えたな、悔しいな」という感覚を、持って欲しかったそうです。
休憩を挟んで、いよいよ稽古も終盤です。ここで、参加者に未完成戯曲の一部が配られます。
まずは黙読。ふむふむ。
そしておしゃべり。
気になったセリフ、なぜそのセリフが気になったのか、登場人物の関係性、そのセリフを言った時の気持ちなどなど、たった1ページの台本ですが、議論はつきません。丁寧に丁寧に、感じたことを共有していきます。
もちろん、セリフを声に出して読むこともしました。
おしゃべりの前とあとで、読みやすさがぜんぜん違ってびっくりです!
公開稽古の最後に、いいへんじ主宰で作・演出の中島さんが「こういう細かい議論を、これからの稽古でもどんどんしていきたい。今回の稽古で出た話を、別の稽古の時に『公開稽古の時こんな話が出たよね』って紹介したりもすると思う。」とおっしゃっていました。
参加者みんなでおしゃべりしたことが、今後の創作に活きるかもしれないってなんだか嬉しいですね。
公開稽古に参加させてもらって、「つまり」がどんな作品になるのか、ますます楽しみになりました!いいへんじは、今回のような参加型ではないものの、これからも公開稽古をやる予定だそうです。
制作アシスタント 谷川清夏
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